Java21 でプレビュー公開された Unnamed Classes and Instance Main Methods

はじめに

Java21 で、JEP 445 Unnamed Classes and Instance Main Methods がプレビュー公開されました。

この JEP では以下を実現します。

以下の Hello World は、

public class HelloWorld { 
    public static void main(String[] args) { 
        System.out.println("Hello, World!");
    }
}

unnamed class と instance main Method により、以下のように書くことができるようになります。

void main() {
    System.out.println("Hello, World!");
}

詳細について見ていきましょう。

instance main メソッドでは、main メソッドの修飾子やコマンドライン引数を省略することができます。

main メソッドは以下のように選択されます。

起動されたクラスの main メソッドに public、protected、またはデフォルト(つまりパッケージ)のアクセスを許可する
起動されたクラスに String[] パラメータを持つ static main メソッドが存在しないが、パラメータを持たない static main メソッドが存在する場合は、そのメソッドを呼び出す
起動されたクラスが static main メソッドを持たないが、非 private のゼロパラメータコンストラクタ (public, protected, または package アクセス) と非 private インスタンス main メソッドを持つ場合は、そのクラスのインスタンスを生成する。もしそのクラスに String[] パラメータを持つインスタンス main メソッドがあれば、そのメソッドを呼び出す。

これにより Hello World は以下のように簡素化することができます。

class HelloWorld { 
    void main() { 
        System.out.println("Hello, World!");
    }
}

unnamed class により class 宣言を暗黙とすることができます。

Javaコンパイラは、クラス宣言で囲まれていないメソッドを含むソース・ファイルに遭遇すると、そのようなメソッド/フィールド/クラスを、暗黙のうちに無名トップレベル・クラスのメンバとみなすようになりました。

unnamed class により Hello World は以下のように簡素化できます。

void main() {
    System.out.println("Hello, World!");
}

以下のようにメソッドやフィールドを定義することもできます。

String world = "World!";
String greeting() { return "Hello, " + world; }

void main() {
    System.out.println(greeting());
}

unnamed class は以下のように無名クラス宣言したものと同等です。

new Object() {
    // the unnamed class's body
}.main();

unnamed class には以下の制限があります。

クラス起動時には以下の順で最初に見つかったmainメソッドが呼び出されることになります。

起動したクラスで宣言された、プライベートでないアクセス(つまり、 public、protected、または package)の static void main(String[] args) メソッド
起動したクラスで宣言された、プライベートでないアクセスの static void main() メソッド
起動したクラスで宣言された、またはスーパークラスから継承された、非プライベートアクセスの void main(String[] args) インスタンスメソッド
起動したクラスで宣言された、またはスーパークラスから継承された、プライベートアクセスでない void main() インスタンスメソッド