はじめに
Notion からの乗り換え先として、Obsidian を紹介します(Obsidian はその名前(黒曜石)と、アイコンのデザインで損しているアプリだなぁと思います)。
Notion ではマークダウン風の記法ができますが、Obsidian ではそのままマークダウンファイルを扱います。このファイルは、ローカルにそのまま *.md
ファイルとして保存されるため、例えば一括置換なども自由に出来たり、Gitリポジトリに入れることができたりと、取り回しの自由度が格段に上がります。
Notion の行志向的な編集に馴染めなかったり、テーブルをテキストデータとして編集したかったりといったことを考えたことがある方は、直ちに Obsidian への乗り換えをオススメします。
Obsidian は、ローカルのマークダウンファイルを編集するため、Notion のようにメモの一元管理を行いたい場合は、課金をするか、少し工夫をする必要があります。これについては以下で紹介するプラグインを使うと良いでしょう。
Obsidian のインストール
OS X で Homebrew の場合は以下でインストールできます。
$ brew install --cask obsidian
Windows で Scoop の場合は以下でインストールできます。
> scoop bucket add extras > scoop install obsidian
または、インストーラから。
アプリケーションの設定は以下に配備されます。
- OS X
~/Library/Application Support/obsidian
~/Library/Preferences/md.obsidian.plist
~/Library/Saved Application State/md.obsidian.savedState
- Windows
~\AppData\Roaming\Obsidian\
(%APPDATA%
)
- Linux
~/.config/Obsidian/
($XDG_CONFIG_HOME
)
Obsidian の設定
初回起動時には、Vault(保管庫) の指定が必要です。
Vault は、簡単に言えば、メモを保管するフォルダです。このフォルダには .obsidian
が作成され、Vault の設定内容が格納されます。IDE で言うプロジェクトを開くイメージです。
Vault は複数作成して切り替えて利用することができます。ここでは、[Notes] という Vault を作成することで勧めます。
言語に日本語も用意されるようになりました。
Vault を作成します。Vault の格納場所は、例えば iCloud を常用している場合は、iCloud 対象のディレクトリにしておけば、別端末で Vault を共有可能になります。
Vault の指定が完了すれば、以下のようにアプリケーションが起動します。
Obsidian の基本操作
Obsidian の機能は色々とありますが、基本的には「マークダウン形式でメモする」「wikiリンクでメモ間をリンクする」「タグで整理する」だけで十分でしょう。
新規ファイルの作成は⌘ N
で、マークダウン形式で編集します。作成したファイルは、Vault フォルダ内の単なる .md
ファイルです。
Obsidian では、マークダウン形式のリンクの他、wiki リンクが作成できます。主に以下の形式でリンクを作成できます。
[[fileName]]
通常のリンク![[fileName]]
埋め込みリンク(コンテンツがインラインで表示される)
#tagName
でタグを付けて検索することができます。
wiki リンクでリンクさせたメモは、グラフビューで可視化したりもできます。こちらはアイディア帳などとして利用する場合に便利かもしれません。
プラグイン
プラグインは、左下の設定から「コミュニティプラグイン」パネルから導入できます。
Obsidian が提供する「コアプラグイン」とは別に、「コミュニティプラグイン」は事前に有効化する必要があります。
「閲覧」からプラグインを検索して導入することができます。
プラグインは Vault 毎に管理されるため、Vault 毎で導入するプラグインを変えることができます。
Excalidraw プラグイン
Obsidian は標準で mermaid.js が使えますが、自由に図を書きたい場合は、Excalidraw プラグインをオススメします。
Excalidraw プラグインが使いやすいから Obsidian を使っていると言っても過言ではありません。
プラグインを導入すると、サイドバーから excalidraw で図を作成できます。
excalidraw 側のテキストを wikiリンク形式にすれば、図から他のメモへのリンクが作成できます。
もちろん、メモ側にwiki リンクを書けば以下のように図を埋め込み表示できます。
下部は mermaid.js の例です。
Advanced Tables プラグイン
表を多様する場合は Advanced Tables プラグインが便利です。
表作成時に自動的にカラム幅を調整してくれます。
エンターキーで行移動が出来たり、レコード追加やカラム追加などの操作ボタンが使えるようになります。
Remotely Save プラグイン
Obsidian で作成したファイルは、ローカルの単なるマークダウンファイルです。
Notion のように複数環境でメモを共有するには、月10$ の Obsidian Sync が用意されています。
しかし、Obsidian Sync を利用せずとも、例えば iCloud などのファイル共有を使うことで代用できます。 ただ、Mac と Windows 間でも共有したい場合は(iCloudでも可能ですが)色々と工夫が必要です。
Remotely Save プラグインは、Amazon S3 や Dropbox、OneDrive などを介して Vault を共有できるプラグインです。
ここでは、OneDrive を使う例で紹介します。
プラグイン導入後、Remotely Save プラグインを有効化し、設定画面を開きます。
リモートサービスに[OneDrive for personal]を選択し、[Auth]をクリックします。
[Auth] をクリックすれば、OAuth 用の URL が発行されるので、このURLで OneDrive にログインすれば完了です。
同期は、定期実行されますが、サイドバーのボタンから手動実行することもできます(Remotely Save プラグインは単なる更新日時ベースの差分同期を行います)。
まとめ
マークダウンメモアプリ Obsidian の導入方法と、便利なプラグインについて紹介しました。
excalidraw と Obsidian の組み合わせはとても快適なので、みなさまも試してはいかがでしょうか。